結婚生活をうまく続けるためには、何が必要なのでしょうか?
日本では、結婚したカップルの3組に1組が離婚すると言われています。しかもこれは日本に限った話ではなく、ベルギーでは約69%、ポルトガルでは68%と、さらに高い離婚率を示す国も少なくありません。
多くの人が、素敵な相手を見つけて恋に落ち、惹かれ合って結婚します。けれど、時が経つにつれて少しずつ不満が募り、子どもが生まれると妻は夫に関心を持たなくなり、夫も仕事の忙しさから妻の話を聞かなくなってしまう──。
こうして、知らず知らずのうちに2人の間に溝ができ、最終的には別れに至ることも少なくありません。
では、なぜ夫婦の心はすれ違ってしまうのでしょうか?
その原因のひとつが、「愛の伝え方」です。
愛情が伝わらなければ、どれほど想っていても相手には届きません。
本記事では、アメリカの心理学者ゲーリー・チャップマン氏の提唱する
「愛を伝える5つの方法(5つの愛の言語)」をもとに、
長く愛されるパートナーシップを築くための“正しい愛情表現”について解説します。
なぜ結婚するとパートナーの態度が変わるのか?|その理由と対策とは
「結婚したら人が変わった」と感じたことはありませんか?
恋愛初期には、アドレナリンやドーパミンといった“恋愛ホルモン”が脳内に溢れ、相手の短所すらも魅力的に見えます。
貯金がない、仕事に熱心でない、離婚歴がある…そんな現実も見えなくなるのは、本能が「子孫を残すために相手に夢中にさせる」ようプログラムされているから。
しかしこの“恋のフィルター”はずっと続きません。
ホルモンが落ち着いた後こそが、本当の結婚生活のスタートです。
結婚がうまくいくかどうかは、「愛を感じさせる努力」をお互いにできるかどうか──そこにかかっています。
人はみんな“愛情のタンク”を持っている|満たし合うことが幸せな結婚の秘訣
誰の心にも「愛情のタンク」があります。子供はこのタンクが満たされることで安心し、健全に育ちます。逆に、愛情不足になると問題行動を起こすことも。
これは大人にも言えること。
夫婦のどちらかの愛情タンクが空っぽになると、浮気をしたり、そっけなくなったり、家に帰ってこなくなったりして、夫婦の中が悪くなり、最後には離婚してしまう。夫婦円満にやっていくには、夫婦でお互いに愛情タンクを満たし合う必要がある。上手くいっている夫婦は必ず愛情のタンクをお互いに満たし合っている。
結婚生活は自分と相手の愛情タンクを満たし合うことで上手くいく。
愛のカタチは人それぞれ|伝え方を間違えると、愛は伝わらない
愛を感じる方法は人によって異なります。
・肯定的な言葉
・2人だけの時間
・プレゼント
・スキンシップ
・行動(サービス)
自分が愛を感じる行為と、相手が愛を感じる行為は違う。例えばプレゼントをもらうことに愛を感じる人もいるし、別に愛を感じない人もいる。または2人きりの時間に会いを感じる人もいるし、別に愛を感じない人もいる。
だから相手が愛を感じる方法で、愛を伝えなければならない。これは大切なこと。
1.「嬉しい言葉」で愛を感じる人タイプ|何気ない言葉が最大のギフトに
「すっぴん可愛いね」
「愛してるよ」
「その服、すごく似合ってるね」
「綺麗だよ」
「頑張ってるね」
「いつもゴミ出してくれてありがとう」
仕事でなかなか上手くいかない時に「あたななら大丈夫、私は信じているからね」
パートナーを褒めたり、感謝したり、愛を伝えること。
普段から「ありがとう」などの感謝の言葉や、「大好き」「愛しているよ」などの愛の言葉をかけられると、自分を認めてもらった気持ちになり気分がいいですよね。また「これからもそう思ってもらえるように頑張ろう」と相手を大切に思う気持ちが強くなるでしょう。
「ありがとうと笑顔で言ってもらえたとき」
「やさしい言葉をかけられたとき」
「言葉にして愛情表現してくれるとき」
「大好きと言われたとき」
「そばにいてくれてありがとうと言われたとき」
褒め言葉や感謝の言葉で愛を感じる人には、日々の言葉が何よりのギフトになります。
特別な言葉でなくても、「いつもありがとう」「今日もお疲れ様」が心に響くのです。
2.「2人きりの時間」で愛を深めるタイプ|注意を向けると心が満たされる
これは邪魔の入らない環境で2人で一緒に時間をすごすこと。みんなでわいわいするより2人っきりの時間がほしいという人。
例えば、性行為のあとにゆっくりベットで話し合うとか、一緒に食事にいってゆっくりと相手の話をきくとか、月に1回は2人っきりで旅行にいくなど。
ポイントは相手だけに注意を向けること。テレビや映画を2人っきりで見てもそれは注意がテレビに向けられていたり、食事中にスマホばかり見ていたら愛情は伝わらない。
「遠距離の状態で長居できなくても会いに来てくれる」
「遠くても会いに来てくれるとき」
「私のために時間を作ってくれるとき」
「私のことを思って何かを先にやってくれたとき」
「私との時間を何より優先してくれる」
「忙しくても時間を割いてくれる」
「電話がかかってくるとき」
「結婚してからも離れているときはいつも連絡をくれる」
「友達の誘いよりも電話する予定を優先してくれるとき」
「まめに連絡をくれる」
「不安のない連絡頻度」
もしパートナーが2人っきりの時間に愛を感じないタイプであれば仕事が忙しかったり、スマホをみたり、みんなでワイワイするよりも相手と過ごす時間を優先するべき。
3.「プレゼント」に愛を感じるタイプ|贈り物に込める“気持ち”が嬉しい
贈り物は金額ではなく、「私のことを考えて選んでくれた」その気持ちが嬉しい。
パートナーの誕生日をしっかり覚えておいて、プレゼントや美味しいケーキを買ってきたり、サプライズプレゼントをしたりとかに愛を感じるタイプ。
「なんでもない日にプレゼントをくれたとき」
「誕生日のお祝いをしてくれたとき」
「誕生日などの記念日に素敵なプレゼントを貰ったとき」
「記念日に花をくれる」
「私の好きな物や食べ物などを知って買ってくれるところ」
「何でもない日でも、私の好きそうな物や食べ物をくれる」
プレゼントにお金がかかったかどうかが大切ではなく、「私を思って、買ってくれた!」と相手に感じてもらうことが大切。
4.「触れ合い」が愛情表現になるタイプ|触れ合うことで、心も近づく
手を繋ぐ、抱きしめる、キスをする──
身体的な接触を通じて、安心や愛情を感じるタイプには、日常のスキンシップが命綱。
「夜のお誘いがあるとき」
「頭を撫でられたとき」
「ハグされたとき」
「寝てる夫にくっつくと、夫が寝ながらおいで~と抱きしめてくれる」
「寝ているときに後ろからハグされたとき」
愛情表現に言葉が苦手な人でも、スキンシップを通じて愛を伝えることはできます。
言葉より、温もりが一番の「愛の証」になるのです。
5.「行動」で愛を感じるタイプ|“してくれること”が愛の証になる
これは相手が実際にやってほしいと思っていることをやってあげること。
例えば「自分の部屋を妻が綺麗に掃除してくれた」とか「毎日健康に配慮された食事を作ってくれる」とか「いつも車で迎えにきてくれる」とか、…そんな些細な「してくれたこと」が、愛そのものと感じるタイプがいます。
「サプライズを用意してくれた」
「私のために尽くしてくれるとき」
「私が疲れているとマッサージをしてくれる、生理痛でダウンしていると湯たんぽを作ってくれる」
「朝起きぬけに恋人が私の好きな飲み物を入れてくれるとき」
「職場まで毎回迎えに来てくれる」
「ケーキ食べたいな… と言うと夜中でも買いに行ってくれる」
このタイプは、言葉よりも行動で愛を感じる傾向があります。
疲れていても、相手のために一手間かけることで、深い信頼関係が築けます。
愛され続ける夫婦になるには?|愛の伝え方を理解することが第一歩
愛を長く育てるために大切なのは、相手が「どんな時に愛を感じるか」を知ることです。
・自分の愛の言語はどれか?
・パートナーはどの言語を大切にしているか?
相手が何を大切にしているのかをお互いに知り、そしてお互いが愛を伝える努力をする、この正しい努力によって結婚生活は成り立っている。
これを理解し合うことが、離婚を防ぐカギであり、愛を伝える「正しい努力」なのです。
恋愛・結婚を続ける上で、この習慣は一生モノのスキルになります。